涙夢
「え?」
私が状況を把握したときにはもう遅くて
もうダメだって思った。
すさまじいブレーキ音とともに
鈍いドンッという音が響いた。
でも、私はひとつも痛くなかった。
「私の服ぬれてる?」
でも、それは雨じゃなくて
真っ赤な血だった。
「拓磨っ!たっ・・くまっ!」
「あ・・・・やね、だい・・・じょ・・ぶ?」
「わたっ・・・しは、だいじょ・・・うぶだから・・・拓磨!」
何で?なんで、拓磨は私をかばったの?