脱・不幸恋愛体質

「今日の蓮、変だよ…」


「お前の方が変だから」


私が?

確かに、ウッカリ手を掴んでしまったりしたから、否定は出来ないんだけどさ。


「……」


微妙に図星で、つい無言になってしまう私に


「約束忘れんなよ」


そう言うと、私から離れ後ろで倒れている自転車を直してくれた。

やっと新鮮な空気が体に入ってくる。


「ありがとう」


「……別に」


そう言うと、私達はまた並んで歩き始めた。

もちろん、無言。

角を曲がり家が見えてきた頃


「後は帰れるよな?」


「えっ?う、うん」


「じゃあ、俺帰るわ」


そう言うと、私を帰らせながら反対方向に歩き始めた。


「えっ?!」


そう振り返ると、蓮は右手でバイバイしながら自転車に跨って漕ぎ始めた所だった。

う~~ん。
やっぱり、蓮が何を考えているか分からないや。

家に入る時に再び振り返ったけど、蓮の姿はすでに無くなっていた。


< 107 / 124 >

この作品をシェア

pagetop