脱・不幸恋愛体質
結局、気まずいまま私の家まで到着。

「あたし、お家ここだから」

「ああ、そう。じゃあな」

門の前で私が中に入って行くのを確認すると、蓮は勢い良く自転車をこぎはじめた。


もしかして……送ってくれたの?


いや、まさかね。

あんなに私の事を邪険に扱っていたんだから、心配なんかする訳無いし。


じゃあ、なんで……


そう、蓮は自転車の方向を180度向きを変え、走り始めたのだ。


来た方向に戻るって事?!


とりあえず、自転車を置き家に入った私。

「ただいま」

「おかえり――ご飯は…」

お母さんの言葉を全て聞く前に、部屋に向かって歩きだしていた。

やはり、頭の中ではハテナマークが沢山飛んで居たのだ。

蓮は何を考えているんだろう?

だって今日のは、どう考えても私を送ってくれたとしか考えられなかったんだもん。


なぜ??


うーん…


―――ドンドンドン


「姉ちゃん、ご飯だって!!!」


まったく!!
人が一生懸命考えて居るのに。


――ぐぅ~~


あっ……
うむ、どうやら空腹には勝てないらしい。

「今行く!!」

私はそう叫ぶと走って居間に向かった。

考えるのは、食べてからかな。

なんて、ただお腹が空いていただけなんだけどね。

そんな感じで、波乱万丈な夏休み限定・海の家のバイト生活の幕開けとなった。

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