脱・不幸恋愛体質
自転車に跨った私は、勢い良くこぎ始めた。

そう、私の家から海までは自転車で20分位で行けるのだ。


雲ひとつ無い空からは、太陽が燦々と照りつけていた。

アスファルトから反射した熱気が、モヤッとした暑い空気となり私を包みこむ。


軽く汗ばみながらこいでいると、視界には真っ青な海が広がってきた。

さわやかな潮風が、私を一層元気にさせる。


昔から海は好きだった。

何かイヤな事が有ると、海まで来て波を眺めていたのだ。

不思議と波が、イヤな事全てをさらって行ってくれるみたいだった。


だから、海は好きだったんだ。


私は駐輪場らしき場所に自転車を停めると、急いで【海の家 Sin】に向かった。

お店の前にはもう彩乃が立っていて、横に居る男の人と仲良く話している。


「あやの~~~」


走りながら叫ぶと、私に気が付いた彩乃は大きく手を振ってくれた。


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