脱・不幸恋愛体質
はい、もちろんその後は待ちに待ったバーベキューな訳で、否が応でもテンションは上がります。

店長と店長の奥さんの沙織さんは、冷蔵庫から用意しておいた肉や野菜を取り出すと、蓮に渡した。


「焼いとけ」


「マジかよ、親父!!」


最近分かったんだけど、蓮は仕事が終わるとプライベートモードになるらしい。

まぁ、どうでも良い事だけどね。


ブツブツ文句を言いながらも、手際良く肉を焼いていく。

私と彩乃はホールを手伝い、翔君は店長さんを手伝っていた。


見事な連携プレーのおかげで、みるみるうちに支度完了。


「よ―――し、食べるぞ~」

店長のかけ声に、みんながホールに集まって来る。


って、あれっ?!


「おい、まだこっちは終わってないんだよ」

あっ、やっぱり1人足りなかったか。
苦笑いしながら、店長は蓮の元に向かって行った。

向こうからは、仲が良さそうに言い合う声が聞こえてくる。

「今年は賑やかで嬉しいわ」

沙織さんは、笑いながら私達を見つめていた。

翔君に聞くと、毎年こういうバーベキューはするらしいんだけど、初めからここまで続けられるバイトの子があまり居ないらしく、私達2人は稀なよう。


原因は……アレだろうな。


そう思いながら、蓮を見た。

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