脱・不幸恋愛体質
硬直する愛莉。
当たり前だ。
説教されている最中に、いきなりキスされたんだから……
しかも、好きでもない奴から。
そりゃ、ビックリするどころじゃない。
乱暴に合わせた唇を、そっと離すと数秒前と同じ様な顔のままの愛莉。
ゆっくりと唇に運んだ指先が、プルプルと震えていた愛莉。
「な…何で、こんな事を…?」
「お…お前が……ギャーギャーうるさいから…」
謝るはずだったのに、なぜか言い訳が出てくる。
最低だな、俺。
「……」
「……嘘」
「えっ?」
「自分でも分からないんだ」
「…そっか」
なぜ、お前はそんなに聞き分けが良いのだ!!!
好きでもない奴からキスされたんだぞ。
って、したのは俺だけどさ。
「でも、いつか……責任とるから」
これはマジ。
「……うん」
って、意味が分かって居るのか居ないのか分からないが、とりあえずこれは本心。
いつか必ず、責任をとる。
そして、俺が愛莉を守る。
そう、心に誓っていたんだ。