君が、好きです。
第一章〜小さな恋の物語〜

*忘れなくていい。



沙織side


今日の朝も重たいまぶたをあけベッドから起き上がる。

カーテンごしから突き刺さる太陽の光があたしを照らす。

外ではヒラヒラと桜の花びらが散っている

この花びらの様にあの日の恋も散ってしまうのだろうか……。

ぴーんポーン

「沙織ーっ!」

そして、迎えに来る幼なじみの拓也。

がちゃ

玄関を開けたら太陽の様にキラキラしている。

「おはよー。拓也」

「……元気ないケド、……まだアイツの事おもいだした…?」

「……ぅん。やっぱ、忘れた方がいいのかな……?」

「んー、別に忘れなくていいじゃん」

「……ぇ?」

「忘れたくないなら忘れなければいい。」


「ありがとー、拓也」

拓也がくれた言葉。

”忘れなくていい”

その言葉が胸にしみて涙が出てきそうだった。


< 1 / 3 >

この作品をシェア

pagetop