みあげればソラ

勢い飛び出たプロポーズの言葉に、由貴は信じられない思いでいた。

抱きしめた姿勢のままで、雄一はいったいどんな顔をしてその言葉を口にしたのだろう。

「ユウくん……、嬉しい……」

それでも、由貴は嬉しかった。

「それってイエスってこと?」

ガバッと身体を引き離し、雄一が真っ赤な顔を由貴に晒した。

「ユウくん、真っ赤だよぉ」

「ったく、こんなこっ恥かしい台詞、言う予定じゃなかったし」

「取り消すの?」

「まさか。

恥かしいのは一度で十分だ。

ユキこそキャンセルはなしだぞ」

「えぇ〜、2年も執行猶予があるのに?」

「そのあいだもしっかり愛してやる」

「……、その台詞も十分恥かしいよぉ」

「だな」

二人見つめあって笑った。

「ユキ、好きだ、愛してる」

「ユウくん、わたしも、大好き」


もう迷いはなかった。

いつまでもきみと一緒。

二人の今は始まったばかりだ。
< 177 / 207 >

この作品をシェア

pagetop