ハッピーバースデイ
昼休み、いつもお弁当を食べている特別教室が空いていた。
ちーちゃん来ないなあ。
ぼーっと窓の外を眺める。
教室の扉が開いた音に我に返った。そっちを見ると、銀司がいる。
あれ、どうしたんだろう。
「昨日、ケーキありがと」
「うん、良いよ」
「それと、ごめん」
どきりとする。え、何が? 何がごめん?
「昨日、クラスの方断れなくて」
「そんなの、別に良いって。改まって、変なの」
笑った。胸が軋んだ。
窓から入る光が銀司に当たる。キラキラと眩しい。
眩しくて、よく見えない。