ハッピーバースデイ
指先で撫でるようにしていると、銀司の頭が動いた。
眠そうな視線が、こちらを向く。
どきりとした。
「…あ、ごめん」
手を離す。
「……お前、最近謝ってばっか」
言い返す言葉が見つからない。
うん、ごめん。
心の中でも謝っていた。
「葵ちゃんさ、男紹介しよっか?」
食堂でちーちゃんを待っている時、佐月君が言った。
「え、急だね」
「だってなんか顔色悪いし。智子もすげー心配してんの、俺も見てられない」
「でもそれは男紹介、には繋がらないでしょー」