ハッピーバースデイ
去年クラスは同じだったけれど、あまり話す仲ではなかった。
「去年も一昨年も葵ちゃんが誕生日祝ってくれてたの、幼馴染だから当然とか思ってんの?」
「葵の何知ってんだよ」
威嚇する声。葵ちゃんを呼んだ声とは大違いだ。
でも、俺も言うこと言わないと気が済まない。
「知らないけど。でもさ、今まで祝ってもらってたんじゃねーの? それを銀司は特別だって思わないわけだ」
男の俺から見ても最低だ。
つか、鈍感。
「ちゃんと話す」
「あーそうしとけよ。葵ちゃん悲しませたら俺が良い男紹介するかんな」
覚えとけ。
そう言って、落胆しているであろう彼女の背中を追いかけた。
END.
20140110