死の百物語と神は云う。

 ……でも、どうして?

 ……どうしてみんな、私に横になるようにすすめてくるの?


 ……あの……。

「ん?」

 どうして、みんな、そんなに、心配そうに、私を見るの……?

「え?」


 何か、おかしなことを言ってしまったのだろうか?悠夜と昶の2人は驚いたように顔を見合わせた。


「えっと……亜希ちゃん、疲れているんだよね?」


 うん……つかれている。


「だったら、少し横になって休んだ方がいいんじゃないかって……」

「――はぁ。先輩方は相変わらずッスね」


 話を聴いていた、さっきから一言も発しなかった藍ヶ嶺珪が口を開いた。


「彼女、つかれているって言っているんスよ」

「え?うん、だから……」

「『つかれている』。……幽霊に『憑かれている』って、そう言っているんス」

「?!」


 ケンカをしていたみんなも、心配そうに見つめてくる幸恵も、他のみんなも、……とにかく、その場にいた全員が、私の方を向いた。
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