転校生のイケメン彼氏
転校生*
「みんな、おはよう!えーと、今日は突然だけど転校生が来ることになったの!」





先生のこんな突然すぎる一言で始まった今日の朝のホームルーム。





もちろん、みんなザワザワしている。





「え?転校生??」「突然すぎ!」「女?男?」「女だったら美女が良いよなぁ~」「いや、男でイケメンでしょ!」。




教室のあちこちで色んな声が聞こえる。





もちろん私も、後ろの席の子と「どんな人かなー?」って話をしていた。







「はーい!静かにしてーー」





先生の声でざわざわしていた教室がシーンと静かになる。





「じゃー、入ってきていいわよ!」





そして先生の言葉で教室に入ってきたのは…。





_____背が高く、顔もすっごく整ったイケメンだった。




身長に対して顔はすっごく小さく、髪も雰囲気が良く少しいじられていて、明るめの茶色。





顔は…鼻も高いし、目もパッチリと開いていて、品の良い唇。





まぁ、とにかくカッコいいって事。





「「「キャーー」」





女子の大歓声が教室に響く。





…本当にカッコいい。






「スッゴイカッコいいじゃん♪」「このクラスでよかったー!」「彼女いるのかな??」
「やべぇ、かっけー」「男の俺らでも、惚れそう…(笑)」「てか、こんなイケメン初めて見たわ」





女子からだけではなく、男子からも驚きの声が聞こえた。




「ちょっと!みんなそんなに興奮しないで(笑)うるさいわよー」




先生が注意してもザワザワしている教室。




そのなかで、私の仲良しの奈々がひときわ大きな声を上げた。






「先生の話はいいから、転校生君から話が聞きたーい♪」






「…あら?今日の奈々はやけに積極的ね~?じゃ、佐々木君?軽く自己紹介をしてくれるかしら?」






佐々木君とよばれたイケメンは軽く先生に会釈して、喋り始めた。





「えーっと…初めまして。佐々木瞬です…。よろしくお願いします」




喋り終わり、ペコっとお辞儀すると、クラスがまた沸き立った。




「瞬くんって言うんだぁー!」




奈々がまた大きな声を出す。





でも、奈々が騒ぐ気持ちも分かる!





ありきたりなあいさつでさえ様になってるし。




「じゃ、奈々の隣の席を瞬くんの席にしてー?」





…奈々って積極的すぎない?




でも、あんなイケメンと隣の席になれればすごく嬉しーな。




でも、それはみんなやっぱり同じ気持ちなわけで…。




「奈々だけズルーい!」「先生ーーっ!私の隣にして!」「違う!ウチの隣なの!!」




女子同士の「瞬くんの隣の席取り合い合戦!」が始まった。





我先に、と騒ぎまくるクラスメイトの女子達…。




いつも大人びた子でさえ、鬼のような形相で周りの友達と戦っている。




そして、男子たちは女子たちの勢いにビビっている。



まぁ、そりゃビビるね…。

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