始まりのチョコレート
「鈍感」
と、中谷は私の頬をつねった。
冷たくて、痛い。
それに、つい数秒前、キスをした感覚が残っているからか、少し触れられただけなのに、すごく恥ずかしい。
顔が、熱い。
もう、中谷が口にした言葉の意味を考えている余裕もないほどに。
「ヒトの話、ちゃんと、聞け」
「・・・・・あ、うん、ごめん」
今は、目が合っただけでも、たどたどしくなる。
でも、中谷がこんなことをするのには、何か、深い理由があるはずだ。
ちゃんと聞かなくちゃ。
一語一句、聞き逃さないように。