彼女の恋~小指の赤い糸~


夜、中島の携帯に掛けた。


《今、話せるか?》


《課長どうしたんですか?》


《……やっぱりそっちに行ってもいい?
顔見て話したいから》


《これからですか?》


《駄目か?》


《分かりました》


携帯を切って車に乗った。


半年間ニューヨークに行くと言ったら中島はどんな顔をするんだろう。



寂しいと思ってくれるかな。
それとも……。


二人の様子が更におかしくなった事に気付いたものの中島から何か言われた訳でもなく俺の彼女だから自分の方が有利だと安心していた。


だが、ニューヨークに半年も行っていたら状況も変わってくる。


中島と付き合う前なら躊躇なく行っただろう。
中島を置いて行くのは心配で仕方ない。

だけど断る事は出来ない。


「はあ……」


エンジンを掛けてアクセルを踏んだ。



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