彼女の恋~小指の赤い糸~


言葉が見つからず沈黙したまま時間が過ぎた。



「中島は毎日会えなくても平気らしいな」


怒っているような硬い声が聞こえてハッとする。


「突然だったから何て言えば良いのか分からなくなって……」


「へぇー、そうか……でも、ほっとした顔に見える」


ドキッとした。


しばらく会えなくなるなら課長との事を考える時間ができる。
そう思ったから。


「中島」


クイッと掴まれた腕を引かれ課長の腕の中に倒れた。


更にドキッとするような言葉が耳元で囁かれた。


「他のヤツを好きになって浮気したら許さない」


背筋に冷たいものを感じ身体が震えてしまう。


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