彼女の恋~小指の赤い糸~


「そうだったね。
高2の夏休みの後に行っちゃったんだよね?」


「その高2の夏休みに花火祭りに行った帰りに私の家に泊まったじゃない?

その時にその赤い糸の運命の相手で盛り上がって……。

あの時は夏休み後に留学する事が決まってたから本当は寂しくて仕方なかったんだ」


「留学の話しを聞いてから私も寂しかったよ。
一緒に卒業したかったし。

入社式で会った時はビックリしたよ。
何年も経って今の会社でまた会えるとは思ってなかったから」


「私も驚いた。
まさか、会えるなんてね」


「包容力がある人か田島さんてそんな感じだしあの占い当たってたんじゃない?」


「ふふっ、確かに当たってるかも。
紗季はどんなタイプだったかな……?
ねぇ、覚えてないの?」


「うーん、思い出せない」


運命の相手か……。

課長が運命の相手なのかなんて分からないけど。
私にも赤い糸で繋がっている相手がいるんだと信じてみたい。


少し前の私は苦しくて後悔ばかりしていたのに今は明るい気持ちでいられる。



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