彼女の恋~小指の赤い糸~


「そうですね」


いくら苦手な相手でも無視する訳にはいかないから軽く返事だけして食堂に行こうとした。



「中島さんは、素っ気ないよなぁ……」

「急に何なんですか?」



「いいかげんに忘れろよ」


東條さんの事を言ってるの……?


「主任に言われたくない。
主任だって千夏の事を」


「俺はとっくに吹っ切ってるよ。
勘違いするな」


何なのよっ。
私の事が嫌いだからって、いつも絡んできて……。


朝からモヤモヤしたものを引きずっていて抑えが効かなかった。


「主任、私の事が嫌いですよね。
だからいつも絡んで来るんですよね。
でも、いいかげんに、こういうの止めてもらえます?」


気がついたら主任に言い返していた。



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