有界閉領域
プロローグ
   1年前



「あれ、あれが、春日真由。」





「へぇ~、スゲーや。この位置からでも美人だって分かる。」






「近くで見ると、マジ綺麗らしい。5組の奴、告って撃沈だってさ」






「マジで?」






「好きな人がいるとか、って言われたって聞いたな」






「美人ちゃんの好きな奴に、興味あるな~」






「身長もヤバイぐらい高いってさ。目線が同じだって、聞いたぜ?」






「ヒュ~、そこまでいくとモデルだね。俺はパスだな。でかくて美人より、小さくて可愛い子がいいかな?」






「俺は、でかくても美人がいいぞ!」






「お前が告っても、即撃沈だけどな?」






「告んねーよ。」




  


    3年の教室から聞こえてくる、今年の1年女子の品定め。







「うわ~。あれで1年って有り得ない~」







「華彩中出身の橘涼司でしょ?中学時代めちゃくちゃ目立ってたって」







「そりゃそうよ。あれだけ完成されてたらね~。他の1年なんて並ぶと小学生レベルだよ。」







「言えてる~。キャハハ~」







「噂では、彼女は作らない主義らしく、告ればその日からデートできるって言ってたよ?」







「えっ、マジ。年上でもいいのかな?」







「いいんじゃない?リョウが気に入ればOKだよ。絶対。」







「ここはやっぱり、イっちゃう?」






「イっちゃえ、イっちゃえ」




   


   3年の教室から聞こえてくる、イケメン男子の品定め。

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