桜庭家の姉達




「桜庭さん!ぼくと付き合ってください!」



告白なんて、いつものこと。




「……ごめんなさい」




そして返事も、いつもの通り。




ーー誰があんたと付き合うもんか。





あたし、桜庭 琴里は絶賛モテ期中。





「はあ…」




毎度毎度、昼休みに放課後に、呼び出されては告白って、あたしの貴重な時間を奪うなっつーの。




「ったく…」




誰とも知らない男とあたしが付き合うはずないし。




好きな人には振り向いてもらえないんだけど。



「あ、もう終わったかな?」




あたしは、屋上へと続く階段を上る。




屋上は生徒立ち入り禁止の場所。




でも一日に数度、屋上の扉が開く。






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