この愛に抱かれて
「慰謝料に関しては、すべて子供に支払う予定ではないのかね?」


「はあ。それが、子供へのものとは別に支払って欲しいと」


「子供を引き取れなかった場合、一円も入らないと損だということか?」


「恐らく」



源太郎はデスクの上の煙草入れから葉巻を取り出すと、ライターで火をつけた。


座っていた椅子を回転させると、窓の外の景色を眺めながら大きく煙を吐き出した。
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