この愛に抱かれて
響子が人形を触ったとき、怜は


「ダメ!」と言った。


響子が利恵に甘えたときも、怜は間に入って許さなかった。



それが彼女なのだ。





誕生日おめでとうと書かれたチョコレートのプレートは砕けていた。


スポンジがはみ出すほどケーキは無残に潰れていた。



みんな響子に慰めの言葉をかけて帰っていった。



なんとも後味の悪い誕生日会になってしまった。
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