彼氏契約書
海人の言葉に、ピクリと眉を動かしたのは蒼空。

「…どういう意味ですか?」

「そのままの意味だ、君がオレに似ていると言ったんだ。

彼とオレ、美緒を幸せに出来るのは、果たしてどっちかな?」


そう言った海人は、私に視線を向けた。


「それは・・・」

想い焦がれた蒼空。

安らげる一番身近にいる海人。


どちらが私を幸せにしてくれるか。


「美緒さん、僕たちの契約は、続行中です」

「・・・え?」


「美緒さんが置いて行った書類には不備があった。

だから契約は続行。…社長とよりを戻したと言うのも嘘だった。

だから貴女は僕から逃げる事は出来ない」


「・・・・」

目の前に差し出された書類には、確かに不備があった。

社長とよりが戻ったと言うのも嘘だった。


でもだからって、ここまでわざわざ来て言う言葉だろうか?


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