彼氏契約書
「離して」

そう言った美緒さんは僕の手を払いのけると、走って行ってしまう。

僕は急いで美緒さんを追いかけようとした。

でも、それを薫子が止めた。


「行かないで・・・行かないでください」

「・・・・・」

振り返った僕は、困ってしまった。


・・・薫子が泣いているのだ。

そのせいで、美緒さんを追いかける事は出来なかった。



…どうして僕たちはすれ違ってしまったんだろう。

…どうして、互いの気持ちが交わらないんだろう。


ただ僕は美緒さんだけを愛したいのに・・・
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