彼氏契約書
私+蒼空=契約恋人。(どこか蒼空の気持ち勝ち)

私+多嶋社長=凄く仲がいい(多嶋社長は私に優しい)

この複雑な構図に、3人とも、少しばかり、

不協和音を発していた。


「ごちそうさまでした」

蒼空が一番に言う。


「美味しかったです。また奢ってくださいね」

そう言って不敵な笑みをこぼした私。


「他の社員には、秘密の時にしておくよ。

特に、女子社員達は、美緒を嫌ってる者も少なくないからな」

そう言って困ったような笑みを見せた多嶋社長。


「私を嫌ってるんですか?…確かに、仕事には厳しいですけど」

そう言って笑い飛ばした私。


「仕事に関して嫌われているんじゃないさ」

「…どういう意味ですか?」


「美緒がオレと仲が良すぎるから・・・だよ」

「・・・それは、それは」

私たちの会話を、怪訝な顔で見つめていた蒼空。


「確かに、お二人ってやけに仲がいいですよね、

何でですか?」

「それはだな・・「蒼空、行くよ」


「・・・え?」

多嶋社長が何か言う前に、私は蒼空を連れ出した。

…会社の前。
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