彼氏契約書
そう言って不敵な笑みを見せた美麗社長は、

専務室を出ていった。


「…須藤、何であんな嘘を」



「・・・」



「今ならまだ間に合うわ。こんな事で、契約破棄なんて」

「…こんな事?」



「・・・え?」



「美緒さんは、僕の気持ちをどうでもいいと?」


「…須藤、何言って…あれは嘘じゃ」



「すべて、本当ですよ。

契約なんてはじめから、上辺の物だった・・・

いつか、美緒さんが、僕の事を本気で好きになってくれるまで。

それまでは、契約でもよかった・・・

貴女の傍にいられるならって・・・」



・・・・なんで。

何でそんな大事な事を、今。

私に告げてしまったの?

…心は一つだって分かったのに、

それを言う事が出来ないなんて・・・・
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