彼氏契約書
「泣きそうな顔、してますよ」

「…バカね、さっきから変な事ばっかり言わないで」

「・・・」

笑顔でいるつもりなのに、ふとした瞬間に、

素の自分が出てしまう。

私は心に喝を入れ、笑顔を作った。


買い物を済ませた私たちは、やっと蒼空の自宅へ。

一緒に料理をして、

一緒にお酒を飲みながら料理を楽しみ、

片付けを済ませた私たちは、後の事を考えていた。


「送りましょうか?…そろそろ11時ですけど」

「・・・ううん」


「ここに泊まるんですか?」

「・・・ううん」


「美緒さんは、どうしたいんですか?」

「・・・」

黙り込んでしまった私を見て、蒼空は困ったように笑った。


「我が儘になってくださいよ・・・するんでしょ、我が儘?」

そう言って優しく微笑まれ、胸がキュンとなった。
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