なめてんの?
――遙……沙彩だ。





学年中の男が好き、もしくは好感を持っているだろう。





俺の友達でも結構そう言ってる奴はいる。





……実は俺もそのうちの一人だ。





「あ……」





………?なんだ?





遙……は、俺の顔を見て驚いたような顔を見せた。





まあそりゃそーだろうな。実際、俺もだし。





なんで女がこんな暗い校舎の中を歩き回ってんだ?





危ねぇだろ。





「お、お前…誰だっけ?」





気づいた時、俺はそう尋ねていた。





そんなことが聞きたかったんじゃない。





なんで教室に来てるんだ、って聞きたかった。







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