「涙流れる時に」
「あっ、来た来た。」浩二は自分の上司を迎える。

るみ子も紗江も慌てて、席を立ち丁寧に上司を迎えた。

「初めまして」・・・深々と頭を下げる。綺麗に磨かれた革靴。るみ子は一瞬でそれに目が行く。

「きちんとされてる方なんだな。」その印象と共に、るみ子は見上げると

その先には、牧村のなんとも言えない大人の笑顔が。

「うわっ・・・思ってたとおりだわ。」牧村の紳士的な雰囲気に

るみ子の恋は本格的に始まりを迎えたような鼓動がした。

それからというのも、るみ子は牧村からの視線を離すことなく、話すタイミングを狙っていた。
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