さみしがりやのホットミルク
「オミくん、いーこいーこ。ハンバーグ、おねーさんがんばって作っちゃうよー」

「………」



完全に子ども扱いなそのせりふと行動に、むか、と、胸のあたりが疼いた。

俺はそっぽを向いて、さりげなく彼女の手を離れさせる。



「……そういえば、あんたは何欲しいもんあんの?」

「え、うーん……夏用のショーパンとか、あと新しいハンカチとか」

「ふぅん……」



小さく呟く俺のとなりで、佳柄は「うーん、あと何買おうと思ってたっけなあ」なんて、本気で悩み始めている。

そんな様子を見下ろしながら、彼女には気付かれないように、ため息をついて。


……あんなんで、機嫌悪くするなんて。まるでほんとに、子どもみたいだ。

そう考えながら、それでも胸につかえたもやもやは、なかなか収まっては、くれなかった。
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