鬼上司?と嘘恋から始めるスイートラブ
車に乗り込みハンドルに手をやり項垂れる。あたしが買ったネクタイは3本。



でもどれもこれも課長に似合うかというとわからない。もっとゆっくり課長のことを思いながら選びたかったのに。




唇を噛み締めていると涙が浮かぶ。なんであたし、こんなに意固地になってるんだろ。あのネクタイを外してほしいってことばかりで本当に情けない。



今から買い物に行ってグラタン作らなくちゃ。気持ちは落ち着かないけど涙を拭ってエンジンを掛けた。



嫌な気持ちを払拭するように買い物を済ませて急いでグラタンとサラダを作った。


連絡をしておいた冴子さんとお父さんも帰ってきてくれて手伝ってくれたからなんとか様にはなったかな。



リビングの座卓に並ぶグラタンとピザにサラダ。冷蔵庫にはお父さんと冴子さんが買って来てくれたケーキが入ってる。


お父さんと冴子さんは最近決まって休みの日はデート三昧。



そんな二人を呼び戻したのはあたしが課長にプレゼントしたかった『家族での誕生日会』をするため。
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