鬼上司?と嘘恋から始めるスイートラブ
あたしの視線の先には窓から手を振る課長の姿。すぐ行くから。唇がそう伝えるからあたしは笑顔で手を振り返した。


好きだと伝えた。欲しい言葉は貰えなかったけれど静佳さんが言うように課長も同じ気持ちなんだ。



課長が来るまで軽くお化粧直し。静佳さん美人だったな。それに比べあたしはまだまだお子様。本当、すぐに突っ張るしね。少し大人っぽい色にしようかな。


ポーチの中にある口紅はお父さんが20歳の誕生日にくれたもの。美晴ももう大人なんだから口紅くらいは持ってなさい。そう渡されたのはブランドの口紅。



こんな大人のブランドなんてあたしに似合うはずもない。そう思っていたのに今では必需品。今、思えばこれも冴子さんが一緒に選んでくれたのかもしれないな。


でももうなくなりそう。使いすぎだな。新しい口紅買いに行かなきゃ。そういや課長はどんな色の口紅が好きかな?ってどうせ塗っても結局は取っちゃう側だから関係ないか。


きゃー!あたしってばなんちゅう想像してんのよ。はあ。でもするのかな?するんだよね?いつかはキスも、その先も。




「おいっ、そろそろいいか?百面相」
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