鬼上司?と嘘恋から始めるスイートラブ
とりあえずショッピングセンターにでも行こうということになり、課長は車を走らせた。安全運転を心がけると言っていただけあって運転はうまいかも。


あたしは自分が運転するから下手な人の助手席に座ると車酔いする。特にお父さん。お父さんの運転は顔に似合わず乱暴で荒っぽいから乗りたくない。


だからあたしが免許を取ってからは運転席はあたしが乗る。でも、課長の運転は心地いいな。助手席でもドライブを楽しめる。



あたしの車なのにあたしが運転しないなんて変な感じ。ハンドルを握る課長は男の人だな。そういやお父さん以外の男の人の車に乗るのも初めてだ。


横顔を見るとドキドキする。



「たまにはいいだろ?助手席も。俺も運転できるんだし、たまには交代しような」



「そういや珍しいですよね。車を持ってないなんて」



「前は持ってたんだけど冴子が物損して廃車にしたんだ。別になくても困らなかったしいいかなって」



「じゃあもしかして乗るの久しぶりとか?それにしたら上手ですね運転」



「土曜日はおばちゃんに買い物連れてけってせがまれることも多いからかな。おばちゃんは運転できないし、俺が乗せてくんだ。あっそういやおばちゃんがお前に会いたいって言ってたよ。まあでも今、佐伯は部署が変わって忙しいって伝えたけどな」



「あっ、じゃあ今から行きましょうよ。ショッピングセンターで買い物して。でもこんな時間から行ったら迷惑かな」



「いや喜ぶと思う。おばちゃんの旦那さんトラック運転手であんまり家にいないからさ。着いたら電話してみようか?」
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