鬼上司?と嘘恋から始めるスイートラブ
「じゃあ行ってくるね、お父さん」

そう言うと笑顔で見送ってくれた。憧れる人も多いダンディで自慢のお父さん。うちのお父さんは、いつもみんなからかっこいい、羨ましいって言われていた。


優しくてカッコよくて自慢のお父さん。



「お父さん、今まで育ててくれてありがとう。あたし、お父さんのことが大好き。でも、お父さんが病気になって苦しくて辛い思いをしてるのに譲れない気持ちがあるの」



涙まじりにお父さんに伝えた言葉。言いたくて言いたくて仕方なくなったん。お母さんが病気になってから私を支えてくれたのはお父さんだった。



いつでも親身に話を聞いてくれて失恋したときも『美晴を傷つけるやつは僕が許さないよ』と抱きしめてくれたね。友達と喧嘩したときもテストでいい点を取ったときも私の側にはいつもお父さんがいてくれた。



必ず隣には、お父さんがいてくれることが当たり前になっていた。



だけどこれから先やっぱり、私は悠貴さんと歩んでいきたい。
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