鬼上司?と嘘恋から始めるスイートラブ
百七十後半くらいの高身長。ノンフレームの眼鏡で隠しているけれど、少しキリッとした瞳。奥二重かな。


そして、唯野さんも言っていた声。普段は雷が落とされることばかり、気になって聞きたくない声だったのに、あの甘い言葉を聞かされてからは課長の声に耳を傾けてしまう。


低すぎず、かと言ってそんなに高くはない声。でも、声優さんにいてもおかしくない素敵な声。

好きになったら一直線ではないけれど、この一週間で苦手から一気に好きへと変わって行く心変わりは、自分でも気が早いとは思う。

そして、課長が営業じゃなくてよかった。きっと営業にいれば、女性が放っておかない。それくらい、勝手な独占欲まで芽生えているのだから、本当に現金なやつ。



「美晴ちゃんなら許すわよ。本当ならうちの娘のお婿さんになってほしいけれど美晴ちゃんはうちの娘の次に可愛いと思っているからね」



「もう!唯野さんってば何、言ってるんですか」



少しだけ声を上げてしまったから課長とバッチリ目が合ってしまった。気のせいかな?少しだけ笑ってくれた?



なんだろう。それだけでちょっぴり嬉しい。本当に、我ながら単純だな、私。
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