鬼上司?と嘘恋から始めるスイートラブ
課長にラインを送った後、ウトウトしつつ寝てしまったみたいで、時計を見ると夜の六時を回っていた。少しはマシになったけれど、まだ完治してない偏頭痛。

とりあえず、起きて水でも飲もうかと思って立ち上がると、玄関の鍵をガチャガチャと開ける音が聞こえてきた。お父さんが帰ってきた?でも、今日は泊まりだって言ったいたし、だとすると誰?



「悪い。寝てると思って預かった合鍵使った。体調大丈夫か?とりあえず、食えるかわからないけれど、買ってきた」


そこに立っていたのはビニール袋を持った課長。ちらりと見えた中身はゼリーやおかゆなど、体調の悪い時に食べられそうなものばかり。その優しさがとても嬉しかった。でも、やっぱり行きたかったな。


「すみません。私からお誘いしたのに。朝は、元気だったし、とても楽しみにしていたのに」

「俺も楽しみにしていたよ。だけど、体調の悪い佐伯が無理をするよりは、はっきり言ってくれてよかった。祭はまた行こうな」



そうやってまた、優しく頭を撫でてくれるから私は、嬉しくて涙が溢れてきた。


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