やばい、可愛すぎ。
***
『また、行くの?』
父の、背中が見えた。
その大きな背中は、小さい私にはとても堂々として、凛として見えて。
じっと見上げていると、ぴたり、と足を止めて───父が、いつもと変わらない不機嫌な顔で、こちらを見た。
『……ああ、仕事だ』
『……いつ、もどってくる……?』
『なんとも言えない』
嘘つき。
嘘つき。
本当は───しごとじゃ、ないんでしょう。
おかあさんは、生まれてくるあかちゃんにかかりきりで、きっと知らない。
でも私には、分かった。