やばい、可愛すぎ。
学校へ入ると、やたらと視線を浴びながら───私は下駄箱に向かう。
「おはよう、白百合姫っ」
後ろから肩をたたかれて、振り返るとそこには、
茶色のふわふわの髪を揺らしながら、子犬のような瞳でにこにこ私を見上げる、小夏ちゃんがいた。
「……その白百合姫、って呼ぶの止めてよ」
苦笑いをしながら、そういうと、小夏ちゃんはははー!と笑いながら、
「いいじゃない、学園中の注目の的なんだもの。素敵じゃん!」
「慣れないよ、白百合姫だなんて。恥ずかしすぎ」
「照れ屋だなぁ、ゆりは」
靴からスリッパに履き替えて、私たちは教室へ向かう。