やばい、可愛すぎ。


皐月くんと手を繋いで───歩いて行く。


もう、視線は気にならない。


いろんなものを、食べて。

いろんなことを、話して。


手をつなぐ温かさに───安心する。


お父さんは、私にこんな素敵なプレゼントを、考えていてくれたんだ。


あの不器用なお父さんが。


私のために───必死になって考えてくれた、姿が、頭に浮かぶ。


ふっと油断したら、涙が出そうになった。



こうやって、お父さんと、一緒にいたかった。

こうやって、お父さんと、手を繋いでみたかった。



時間が過ぎるのは、あまりにも早くて───

学園祭終了のお知らせです、というアナウンスに、また、泣きそうになった。




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