甘い誘惑~Sweet Refrain~
「本当に、何があったんだろう…」

呟いた声は溶けるようにすぐに消えてしまった。

コンビニの袋から、さっき買った焼きチョコを取り出した。

“ビター”と書いてあった。

ピリッと袋を破ると、焼きチョコを口に入れた。

「――美味しい…」

だけど、少しだけ苦かった。

やっぱり、ビターは苦いな。

そう思っていたら、
「――フミちゃん?」

誰かに名前を呼ばれたので、あたしは視線を向けた。

「南方さん」

あたしの目の前に南方さんがいた。
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