甘い誘惑~Sweet Refrain~
「ああ、そうだったんだ」

南方さんは少し考えた後、
「一緒に食べに行かない?」
と、あたしに言った。

「えっ、いいんですか?」

思わず聞き返したあたしに、
「この間のこともあるから、そのお詫びと言うか…」

南方さんは口ごもるように言った。

あたしを修羅場に巻き込んでしまったことを、彼は気にしているようだった。

「気にしていないので大丈夫ですよ。

ちょっと驚いちゃいましたけど」

笑いながら言ったあたしに、
「ホント?

それはよかったよ」

南方さんは言った。

「じゃ、ご一緒します」

そう言ったあたしに、
「ありがとう、フミちゃん」

南方さんがお礼を言った。
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