甘い誘惑~Sweet Refrain~
戸惑っているあたしに、
「少し、時間をもらえるかな?」

南方さんが言った。

「えっ?」

時間って、考える時間のこと?

そう思ったあたしに、
「少なくとも、1週間…いや、10日は欲しい」

南方さんはスーツの胸ポケットからスマートフォンを取り出すと、
「メアドを教えてくれないかな?」
と、言った。

「ええ、はい…」

彼の連絡先を知らなかったなと、あたしは思い出した。

あたしのスマートフォンには南方さんのアドレス、南方さんのスマートフォンにはあたしのアドレスが転送された。
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