甘い誘惑~Sweet Refrain~
「横に、ですか?」

そのやり方、何だかもったいないような気がする…。

そう思いながら、あたしはナイフとフォークを使ってミルフィーユを横に倒した。

ナイフを入れると、ザクッといい音がした。

「あっ、ホントだ」

あたしはザクザクとミルフィーユを1口サイズに切った。

切ったばかりのミルフィーユを口に入れると、
「美味しい!」

そう言ったあたしに、南方さんはクスリと笑った。

「あっ…」

先に食べてしまったことを思い出し、あたしは皿のうえにナイフとフォークを置いた。

「別に食べていてもいいのに…」

南方さんはフフッと笑うと、
「さっきのことなんだけどさ」
と、言った。

「友達じゃなくて、彼女になって欲しい」
< 186 / 188 >

この作品をシェア

pagetop