続・私=地味子or天然少女
それに続き真広も最後にやってきて
三人で手を洗いに洗面台に向かった。
「玲奈ちゃん」
また皆が居なくなると陽平が私を呼ぶ。
「ん?なに?」
「玲奈ちゃんは1人じゃないんだからね。
周りには俺らが居るんだから、頼っていいんだよ。
遠慮なんてされると皆優しいけどばかだからどんどん追求していっちゃうよ」
最後に「プライバシーなんてあいつらにはないからね」と笑う。
ふふっ、確かに。
「でも、彼らはちゃんと踏み込んでいいところと悪いところ、区別してるみたいよね」
どうしてか、来てほしくないところは足を踏み入れてこない。
「皆、いろんな事情を抱えてるからね。
踏み込んでほしくないラインがわかるんだよ」
少し下を向き、悲しそうに陽平が微笑んだのを私は見逃さなかった。
陽平にも事情があるのだろう。
ただそれは、優しい悩みなんかじゃなくて
私と似た、いや、それ以上の悲しい悩みなのかもしれない。