彼氏が浮気をしました
食欲は、正直ない。
でも心配させたくないから
無理やりご飯を詰め込み私は急いで家を出た。

いつもより早く学校に着いてしまった。
―が、

「優真の靴…。」

隣のクラスの靴箱を何気なく見ると
優真の靴だけが入っていた。
自分の教室に行くには
どうしても優真の居る教室を通らなければたどり着けない。

「…―っ」

私はなるべく気付かれないよう
ゆっくりと静かに歩く。
チラリと優真の教室を見てみると
運良く優真は机に突っ伏して眠っていた。

(良かっ…)~♪

良かったなんて油断したのがいけなかった
LINEの通知を知らせる能天気な口笛が廊下に響く。

勢いよく優真の方を振り向くと
優真はもぞもぞと動き顔だけこちらに向ける。

「ゆ……っ!」

「まりあ…。今日は早いんだな。」

優真は私に気付くと眠そうだった顔を
パッと明るくして近付いてきた。

「お、はよ。何だか早く起きちゃって。」

本当だったら嬉しいハズなのに、
話したいことだって沢山あるハズなのに、
いつもどうやって接してきたっけ。

私は今まで優真に対して
どんな風に接してきたのか
いまいち分からなくなっていた。
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