僕らのルール
「うん、だから安心してるとこ。俺、背伸びしなくてもいいんだなあって思った」


「背伸び？かずくんが？」

「あ、ごめん。口がすべった。今のは何でもないから忘れてっ」

かずくんが一瞬すごい焦りだす。ちらっと見てみると、顔も真っ赤だった。


「泉って話しやすいから、なんでも話しちゃうんだよなー。気をつけないと」


「はあ、そうですか」


ちょうどよく、駅に着いた。


「じゃあ、また明日ね？」


そう言って、かずくんから少し離れる。

「ん、またメールする。電話もするかも」

名残惜しそうに言うものだから、急に小さい子に見えてきてクスッと笑ってしまう。

「なに、笑ってんの？」


「ううん、何でもない。じゃあね？」

手を振って、背を向けた。



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