僕らのルール
こういう、お付き合いのはじめって言う方はもちろんなんだろうけど返事をする方もなかなか緊張するものなんだなあ。

そんなどうでもいいことを考えながらかずくんの次の言葉を待っていた。


「ほんと?夢?いや・・夢じゃないよな。コーヒーの味もわかるし」

かずくんはぶつぶつ言いながらまたコーヒーカップに口をつける。


「泉!」

「・・・はい?」

急に大きい声を出されるものだからびっくりして変な声で返事をしてしまう。


「俺とつきあってください。今は3ヶ月でもいいけど、絶対延長させるから」

「うん、えっと楽しみにしてます」


かずくんは焦ると、水分を欲する。
私の場合は、焦るとつい敬語を使ってしまうらしいということがこの時初めてわかった。




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