死神のレシピ
幸せの中の不幸せ
道いっぱいに敷き詰められた石畳



ゴシック様式、ルネッサンス様式、バロック様式の建物が混在して立ち並んでいる



まるで中世にタイムスリップしたかのような街並み



時は深夜



日中は大勢の人が行き交うこの街も



夜の帳が下りた今は人っ子一人見当たらない



カツーン、カツーン



石畳を踏む私の足音だけが怪しく響く



全身黒ずくめ



手には大鎌



皆が忌み嫌う存在



死を司る者



そうだ



私は冥府への案内人



死神だ


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