死神のレシピ
私はその黒猫を抱え上げた



「駄目だぞ。
私の商売道具なんだから。」



黒猫を抱えた反対の手で大鎌を拾い上げる



猫は尖ったモノが好きだからな



まあ、刃は入ってないから猫ちゃんが怪我する事はないんだけどね



なんでそんな使えない大鎌を持ってるかっていうと



大鎌を持つ事は死神の決まりだから



死神の威厳を保つ為っていうか、なんというか



私はそんなの時代遅れだと思うけど、天上界の長老達は格式を重んじるんだよね



しきりに猫ちゃんは私の腕の中でミャーミャー鳴き続ける



お腹空いてるのかな?



あ、そういえばジャーキーがあったはずだ



大鎌を横に置いて、肩に掛けてある黒のポシェットの中を漁った



あった



でも



1個しかない



これが私の



最後の食料だ…


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