死神のレシピ
「ミーシャ…。」



私はアントニーの胸に顔を埋めて泣いていた



「この店も来週には
人手に渡ってしまう…
俺にはもう何もないんだ…。」



そう言った直後



アントニーは気を失ったように全身の力が抜けていった



「アントニーどうしたの?」



アントニーの額に手を当てる



凄く熱い



「アントニー大丈夫?
アントニー!」



風邪かな?



病院に連れて行かなくちゃ



ああそうだ



この街唯一の大病院には同業者の死神が大勢いたんだった



死神は人間と関っては駄目なんだ



私がアントニーを病院に連れて行ったら、きっと邪魔される



病院には行けない



どうしよう…どうしよう…



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